46歳にして転職を決意
訳あって、転職を決意した。
理由は単純に今の事務所がやばいから。
今の事務所は30歳のときに入所して17年になる。
ちなみに、特許事務所。いわゆる知的財産を扱う事務所だ。
私が入所した当初はそれなりに儲かっていた。
入所して数年でボーナスが100万円を越えていた。
しかし、この業界自体の競争が激しくなり、リーマンショックの頃から業績が落ちてきた。
こればっかりは仕方がないが、うちの事務所には他にも問題があった。
それは、優秀な所員がどんどん辞めていったことだ。
待遇の面もあるが、殆どが経営者と合わないってことで辞めていった。
悲しいかな、経営者の息子が中に入ってから歯車が徐々に狂いだした。
頭はいいのだが、プライドが高すぎる故に所員とトラブルを引き起こしてしまう。
これは、親である所長の責任でもあるのだが、全く改善されない。
若手所員がどんどん辞めてしまい、気が付けば私が所員の中で一番の若手になってしまった。
46歳が一番の若手だけでも十分にやばいのだが、加えて、先輩方も定年間際あるいは定年組(嘱託所員)しかいないのだ。
数年後に先輩方がいなくなったら、雇われ所員は私1人になってしまう。
こんな状態では安心して仕事ができない。
私自身年収はあまり拘らないが、50歳を迎えた頃に事務所がなくなることだけは避けたい。
正直乗り気ではなかった、やむなく転職を決意した。
転職の第一ステップ
転職に当たって、とりあえず転職サイトに登録した。
ちなみに、DODA。
とりあえずは、有名なサイトであれば問題ないと思った。
登録に当たって、履歴書、キャリヤシート(職務経歴書)を書いたが、これが一番面倒だった。
とはいえ、これをやらないとどこにも応募できないのでこればっかりは仕方ない。
登録すると、アドバイザーが付いてくれたので、履歴書、キャリヤシートの内容を確認してもらった。
アドバイザー曰く、そこまで大きな問題もないので、これでいきましょうとのことだった。
後は、気になる会社を探したり、アドバイザーが探してくれた会社を見たりして、興味があれば応募するだけである。
今は、すべて電子化されているのでボタン一つで応募できてしまう。
便利な世の中になったとつくづく感じる。
書類選考さえ通過が難しい
とりあえずは、企業の知的財産部(知財部)を中心に会社を探した。
アドバイザーにも知財部を希望と話をしていたので、アドバイザーからも知財部の求人を中心に会社がリストアップされてくる。
まずは、よく知られた大企業を中心に応募を試みた。
そして、応募から2、3日くらいで書類選考の結果が送られてきた。
会社の基準に満たないので不採用っていう内容の結果が続々と。
年齢が40歳半ばなのは、かなりのマイナスだと思う。
しかし、これで諦めたら履歴書、キャリヤシートを書いた労力が無駄になるので、ひたすらに応募を続けた。
途中からは、企業の名前や勤務地も気にせず、とにかく知財部であれば全て応募してみた。
初めての面接
そして、20社くらい応募したとき、初めて書類選考通過の連絡が入った。
住友グループの会社だ。
相手は格上だがやるしかない。
とりあえず、初めての第一次面接に挑んだ。
ちなみに、コロナの影響で、どこの会社もリモート面接となっている。
この会社もそうだった。
面接日は二時間前からパソコンをセットアップして面接を待った。
そして面接が始まった。
相手は、人事部のおばさんだった。
どんな圧迫面接になるかと思ったが、全くそんなことはなかった。
和気あいあいとまではいかないが、圧迫されるようなことは全くなかった。
気が付けば面接が終わっていたっていう感じだ。
感想としては、これといって失敗した感じはなかったが、手応えもない。
なんとも狐に包まれた感じだった。
そして、1週間くらいして結果がきた。
基準に満たないから不採用だと・・・
正直、なんで?っていう感じもしたが、やっぱり甘くはないことを知った。
面接2回目
ほどなくして、とある中小企業(社員200人程度)の書類選考通知の連絡が入った。
中小企業ながら、バレル研磨というニッチな分野でトップ争いをしている優良企業だ。
とりあえず、面接を受けることにした。
二回目とあって、面接という雰囲気には若干慣れてきた。
実際、この企業の面接も圧迫されことはなく、淡々と進んでいった。
悪くなさそうではあったが、気になる点があった。
元々知財部を希望しているのだが、その会社での特許の出願が年間で5件程度らしい。
そうなると、普段の仕事は何をやるのか聞いてみたところ、契約関係の書類作成がメインになるらしい。
内定を貰ったとしても、入社するか悩ましい。
一週間後、二次面接の案内が来たが、迷った挙句断ることにした。
面接3回目
3社目の書類選考通過の連絡がきた。
ここは、トヨタ系の上位グループに位置する会社だ。
もちろん、面接を受けることにした。
ここでは、厳しい質問が多かった。
特許業界では、弁理士という資格がある。
私はこの資格を取っていない。
この業界にいて資格を取っていないのはどうしてか?と言われた。
本音でいえば、私には合格は無理だ。
そんなこと言えないので、忙しかったとか言葉を濁したが確実に減点対象だろう。
他にも、特許に関わる仕事だけでなく、マネージメントを期待したいのだが経験はあるかと聞かれた。
そんなこと私にはできません。
あまり経験がないと答えざるを得なかった。
この会社は、仮に入社できたとしても私では無理だとわかった。
結局、一次面接で落ちた訳だが。
面接4回目
結論で言えば、この会社に内定したことになる。
面接では、いきなり知財部長が参加してきた。
ちょっと緊張したが、特に圧迫されるようなことはなかった。
和気あいあいとまではいかないが、気が付けば終わった感じだった。
この流れは最初の面接と変わらないので、なんとも言えない感じでもあった。
最終面接
先日面接した会社から二次面接(最終面接)の案内がきた。
最終面接といっても、特に準備することはなかった。
ちなみに、ここでもリモート面接。
コロナを徹底しているみたいだった。
ここでは、先の知財部長に加えて専務も参加してきた。
それなりに大きい会社(従業員数5000人程度)なんで、流石にびっくりした。
但し、専務は全くしゃべらなかった。
唯一、「聞こえないからもっと大きい声で話してくれ」とだけ言われたが。
最終面接でも、圧迫されることはなかった。
今思えば、最終面接は会社に本当に入る気があるのかの確認だったと思う。
最終面接の日に、実質の内定通知の電話が届いた。
この年齢では、ギリギリ滑り込んだ感じだと思う。
40代半ばでの転職はかなり難しい。
エントリー数を増やさないと面接に行くことも難しいと思う。
とにかく、諦めない。これに尽きる。
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